ラチェットの新時代を拓いた90枚歯neprosラチェットの秘密に、
私タモンが迫ります!
追い抜かれた!衝撃と悔しさをばねに企画が始まった
さて。ここで、今更どうしたの?!という声が聞こえてきそうではありますが「ラチェットって何の事かご存知ですか?」というクエスチョンを読者の皆さんへと投げかけさせていただきたいと思いまーす。
工具の世界では ラチェット=ラチェットハンドル の事。皆さんはきっとご存じですよね。しかし、いかんせんまだまだヒヨコのインタビュアーであります私。改めて調べてみました。そうしますと、ラチェットというのは平たく言うと“動作方向を一方行に制限する機構”を指す言葉だったんですね。ですから後ろ向きに漕いでも駆動の伝わらない自転車のチェーン(BMX等は除く)や、ワンタッチバックル式のヘルメット、結束バンド等も同じ機構が用いられている事になります。なんだか“ラチェット”がとっても身近になったと思いませんか?(但し、ご存知の通りラチェットハンドルには回転方向を切り替える為のレバーが付いていますからワンタッチでどちらにも力をかけられる訳です。便利ですね〜。)
さて再び寺嶋さんへのインタビューへと話を戻しましょう。
ここからが今回の本題。既に発表を聞いて驚かれた方も少なくは無かったでしょう。新しくリリースされたneprosのラチェットは90枚歯!これまでの2倍以上の歯の枚数、送り角度はなんと4°と驚異的と言っても良い程の飛躍を遂げています。ここへ至るには今度は先の欧米からの影響ではなく、アジア圏からの安価な工具の台頭が関わっているのだそう。求めやすい価格の商品が日本国内で出回る事によって、一般の汎用工具の市場が徐々に脅かされ始めたのです。そしてその対策として
「2000年に“21世紀バージョンツール”としてneprosの技術を使って汎用工具をリニューアル、汎用のラチェットもneprosと同じ36枚歯を採用しました。」
という寺嶋さん。
しかしここでホッとできるのかと思いきや、技術を持った他のメーカーはKTCに負けじと同じ枚数の36枚歯を相次いで発売しだしたそうな。そうして少しずつ焦りを感じ初めていたKTCの商品開発部に、ある日大きな衝撃と共に転機が訪れるのです。
「36枚歯の他社の商品を越えるものを作らねばあかんと、思っていた時に・・・アメリカの1番のライバルメーカーが、80枚歯というラチェットを出してきた。これはもう、これを越えるものを作らんといかん!と企画に取り掛かったんです。」