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トルクが " 見える " 『デジラチェ』の秘密に迫る
デジラチェが提案する、新しい形のトルク管理
私も大好き、街中を颯爽と走る自転車でも「オーバートルク」のリスクは潜んでいるんだそうです。特にロードバイクなどに使用されているカーボンパーツは軽量で強い素材ですが、締め付けトルクが数N・mと小さく、必要以上に締め付けると、こちらはネジではなく車体やパーツ側が変形したり、破損してしまう事も!
だから、最小単位が0.02N・mで2N・mから測定できるタイプ(No.GEK030-C3A)の『デジラチェ』が、より繊細なトルク管理ができると注目を浴びているのも納得ですね。
そんな話をお伺いして“トルク管理”の重要性、大切さを理解した私ですが、ふと初歩的な疑問がモクモクと浮かびあがり、えーい、単刀直入に伺ってみることに。
どうしてそこまで、従来よりも精度の高いトルク管理を提案する必要があるのですか?
森本さんの答えは、従来のトルク管理の方法の盲点を指摘するものでした。
「機械式のトルクレンチというものがあるんです。これはある程度のトルクが分かる、指定ができるもの。従来の環境で『トルク管理をしています』というのはほとんどの場合=機械式のトルクレンチを使っていますよ、という事だったんですね。」
なるほどなるほど。
「その機械式トルクレンチは指定値に近づくと「カチっ」と言う音がして、少し手応えがある。そこから更に締まっていってしまうんですよ。」
あ~「カチっ」って音がするトルクレンチ、触った事があります。あれ、なんだかハラハラドキドキして楽しいんですよね~。(本来の使い方そっちのけ)……って、あれっ!? 「そこから更に締まっていってしまう」っておっしゃいました?
「ええ。それ以上はいかない、と思われている一般の方が多いようですが「カチっ」と鳴った後も実は締まっていっているんです。だからキャリアの浅い人がきっちり締まったか確認しようとして、カチっカチっカチっと、2度3度操作を繰り返すと、それは締めすぎになります。」
いやあ、これは、なんてこった! です。私はてっきり「カチっ」と手応えと音のした後は空転して、安全装置みたいに、それ以上トルクがかからないようになっているとばかり思っていました。
機械式のトルクレンチを使っている工場やメカニックさんへ向けて「締めすぎていませんか?」とトルク管理を提案する際、規定値との差を目で見えるカタチで提示することが重要だと、現場を飛び回る営業スタッフさんからの声があったそうです。
同時に「とにかくカッコいいもの!」「一人に1本持てる価格設定」といった条件が強く求められたのだといいます。これらが『デジラチェ』開発に大きな後押しになったに違いありません。現場の声に精度の高い製品で応える、「日本のモノづくり」の原点を見た気がします。嬉しくなっちゃいました。