アナログからデジタルへ!
トルクが " 見える " 『デジラチェ』の秘密に迫る
『デジラチェ』操作のコツ。
最後に『デジラチェ』の操作のコツを教えてもらいました。デジタル表示モニターとLEDランプ、そしてアラーム音で設定値への接近を教えてくれるのですが……
「従来のラチェットに比べて太く、自転車やオートバイのグリップのようになっている黒いゴムの部分が固定グリップで、この中にパワーセンサを搭載しています。黒いゴムの部分に十字やマス目のようにラインが薄く盛ってひかれていて、これが操作をしてください、力を加えてください、のポイントとなる部分です。そのライン上で力がかかるように操作をすることが、より正確な数値を知る為のコツです」
と森本さん。バランスはネプロスとだいたい同じに作られているのだそうですが、でも、なんだか、便利だけどちょっと面倒くさそう……、と思った気持ちがバレたのか、早速にその不安を払拭してくださる魔法の一言が。
「トルクは力を加えた位置、起点から廻している中心までの距離と力のかけ算です。1メートルの距離で10ニュートン(約1kgf)の力をかけたら10ニュートン・メートル(N・m)。そうやって計測します。だからこのポイントが一番、トルクレンチを使う上で重要ですね。でも、実際に使う(=力をかける)時、ポイントが変わるとトルクがかわってしまう。これはラチェットの常ですね。そこで『デジラチェ』は、ちょっとずれてもずれた量を考えて補正してくれるんですよ。」
なんて便利な工具なんでしょう! 他にも、メンテナンスをしながらパソコンに通信でデータを飛ばしてリアルタイムに記録できる機種もあるのだとか。メンテナンスカルテとして整備記録を一緒にお客様へ渡す、なんて方法がスタンダードになる日もそう遠くないかもしれません。うーん、欲しい……!
今回の取材を終えてKTCの工具のこれからに益々期待してしまったタモンメグミでした。
みなさん、素敵な夏の日を。そして素敵な愛車との時間をよりよく過ごす為のメンテナンスの時間もお忘れなくお過ごしくださいネ!
(text. megumi tamon)